退去時に求められる「原状回復」とは、入居者が借りた部屋を元の状態に近づけて返すことを意味します。しかし実際には「どこまで修繕が必要か」「どこまでが賃貸人(入居者)の負担なのか」が曖昧で、トラブルにつながりやすいポイントです。
特に部屋がゴミ屋敷化している場合、通常の汚れや経年劣化とは違い、入居者負担が大きくなるケースが多く見られます。
このページでは、原状回復の仕組みと賃貸人(入居者)の負担割合をわかりやすく解説し、さらにゴミ屋敷から退去する際に必要な費用や流れ、実例までをまとめています。
退去トラブル対処法
スタッフに退去の際の原状回復」についてよくいただきます。きちんとしたアドバイスを行っておりますが、こちらのページにてしっかり解説しておりますので、退去の立ち合いが心配。退去立ち合いが嫌だなと思う方は、ぜひ別ページ「退去立ち合い、気まずい?。立ち合いの仕方から請求の交渉まで。これで安心」 を参考にしてください。
ゴミ屋敷の退去費用は、正しく「賃貸の原状回復」の意味と責任の範囲を正しく理解すれば、不安も軽減。大家さんとの交渉もスムーズに進みます。
賃貸における原状回復の意味とは

原状回復とは、入居時のようにきれいな状態に戻すことではありません
退去時の清算費用を気にする人の多くは、引越し経験の少ない人に多いようです。10年、20年と同じアパートやマンションに住んでいる人は、退去して敷金の清算の経験が少ないことと、長く住んでいるときれいに使っていてもやはり部屋は、汚れます。
また、設備の一部も壊れてそのままにしていることもあります。いざ、アパートを退去するとなると、借りていた方は、退去の時に「現状を回復しなくてはならない」と契約に明記されているからです。20年も住んでいるとクロスもはがれかかり、シンクのステンレスは、さび付いている箇所も出てきます。ドアノブも壊れるなど、いったいこれを直す費用は、いくらかかり、請求されるだろうと心配になります。
特に、私たちが、家財など運び出し部屋が空っぽになると傷んだ箇所は、めだちます。そこで心配になるのですが、この原状回復の定義は、皆さんが考えているものとやや異なる意味なのです。「契約に定められた使用方法に従って通常の使用をしていれば、経年劣化があってもそのまま返還すればよい。(出典:アットホーム不動産用語集の原状回復より)ということです。これで少しご安心いただけたかと思います。ただ、もし、通常の使用の範囲を超えて部屋を使っていたら、どうでしょうか、ゴミ屋敷は、明らかに通常の使用とは言えません。
ゴミ屋敷の原状回復費の負担は、どうなる?
借りて住んでいた部屋がゴミ屋敷にしても大家さんから莫大な請求額を負担することはありません。ただ、ゴミ屋敷にしていたなら、前出の「契約に定められた使用方法に従って通常の使用をしていれば、という考えに当てはまりません。通常の使用とは、借主さんの善管注意義務といい、明らかにゴミ屋敷にしたなら、善管義注意務違反として、クロスの張替え、床の張替え、設備の修理などにかかる原状回復費用の責任を負うことになります。
原状回復費は、いくら負担するのか

ゴミ屋敷にしてしまったなら、原状回復費用の負担は、覚悟しなくてはいけませんが、修理費や設備の取り換えの費用を全額負担することではありません。このことをよく理解すると意外に費用の負担は、少なく済みますが、相手次第、賃貸年数次第、交渉次第になります。
借主さんの善管義務違反による原状回復費は、残りの耐用年数分を負担すればよいということです。
どのようなことかと言うと。クロスを全部張り替えることになった場合を考えてみます。
借主さんの入居年数が5年の場合では
クロスの張替え費用が50万円とします。クロスの耐用年数は、6年でこのケースでは、5年間使用しましたので、残りの負担は、1年です。
クロスの張替え費用が600,000円かかったケースでは、全額を負担するのではなく、1年分です。
600,000円÷6年×1年=60,000円
ということになります。
設備についても流し台5年、エアコンは、6年と定められていますが、クロスやエアコンにしても丁寧に使うなら、10年も十分に使用できますので、耐用年数が過ぎたら、全く借主さんは、負担しなくて済むということではなく、何割か負担をする必要もあります。
この定めは、国土交通省のガイドラインに明記されています。ガイドラインは、法律ではありませんので、強制力がありませんが、賃貸業界の指針として存在しています。
参考:国土交通省ガイドライン
原状回復費の請求は、まちまち
原状回復費の請求は、大家さんや管理会社次第です。請求が緩やかなケースもありますが、厳しく請求をするケースもあります。
どんなケースが緩く、どんなケースが厳しいか、見てみましょう
請求が緩やかなケース
- 長く住んでいたケース
20年近くも住んで家賃をきちんと払っていただくと、一部屋の建築費以上家賃で回収します。大家さんの中には、それでよしとして請求しない、うるさく言わないケースも見られます。
- 建物自体がすでに古いケース
本来建物が古くリフォームが必要な場合と建物を解体を予定していた場合は、請求も緩やかです。免除されるケースも多いですね。また、そろそろゴミ屋敷でなくてもリフォームを計画立てている場合もうるさくありません。
- ガイドラインに即した請求のケース
管理会社がしっかりガイドラインを守って請求するケースは、金額も少なく済みます。
- 大家さんに余裕があるケース
大家さんが家賃収入のみで生計を立てていない場合で、経済的に余裕があると請求も比較的緩やかです。
請求が厳しいケース
- 建物が比較的新しいケース
建物自体が新しく、建物に借り入れが残っているなど、経営が厳しいと請求は、厳しくなりがちです。
- 管理会社が原状回復を直接行うケース
管理会社でリフォーム部門を所有しているケースですと、仕事が欲しいために請求が厳しいケースがあります。
- 生活の支えが家賃収入のみの大家さん
家賃収入のみで生活を依存している大家さんは、原状回復して新しく募集を開始しなくてはいけません。空き部屋になり収入が減るだけでなく、リフォームの費用も経済的に負担に感じるので、請求は、比較的厳しくなる傾向にあります。
原状回復費用の交渉と支払い
一般的に言えば、敷金から相殺できる範囲でも勝手に原状回復費を相殺することは、ありません。まず、見積もり書が送られてくるか、口頭で連絡がきます。賃貸人が承諾の返答を行わない限り原状回復工事は行われません。ご納得できなくても、感情的にならずに交渉しましょう
上手な交渉の仕方と支払い
見積書をよく精査し、先ほどのガイドラインに沿って請求がなされているかを確認します。
ガイドラインを全く無視している
この場合は、一応、ガイドラインに沿って請求をお願いしてみます。おそらく、言い訳して引かないケースが多いと思いますが、この場合の交渉は、難しいケースが多く、消費者センター相談しますと、伝えます。それで解決できないケースは、消費者センターで実際に相談するとよいでしょう。
消費者センターでは、ガイドラインに沿って請求するように話をしていただけます。
納得できたが、お金がないケース
引越しなど敷金を超えて請求が来て、資金が足りないときは、分割の支払いを交渉しましょう。多くのケースでは、難しく言われないで交渉に応じていただけます。
原状回復、請求されなかった事例
西東京市のゴミ屋敷の原状回復は、0円請求でした

ゴミを撤去した後、清掃を行うのですが、今回の現場では、生ごみが多く、床板も傷みが激しいため掃除で見た目をよくすることができない状態でした。シンクも取り換えないと使える状態は、ありません。台所周りの床板の一部は、腐って張替えが必要です。
お客さまには、この状態だとリフォームが必要です。一応掃除は、行いましたが、これ以上、良くならないので、大家さんとよく話し合ってくださいとお話ししご納得いただきました。
後日、電話で確認したら、10年きちんと家賃支払いしてもらったので請求はないとのことでした。
葛飾区のこちらも原状回復は、0円でした
マンションでゴミ屋敷で、孤独死されたケースです。マンション自体は、結構古く、部屋が空き室になるとオーナーさんが順次リフォームしているようでした。私たちが作業している最中も工事業者が他の部屋から廃材を運び出していました。依頼者は、孤独死された弟さんです。管理会社に孤独死されたことを話したら、「家財やゴミを出していただければ、良い」と言われたそうで、原状回復は、リフォームを行うので必要ないと言われたとのことでした。
原状回復費でもめた事例でアドバイス
大田区でやはりもめたマンションの原状回復
1LDKの比較的新しいマンションの一室のゴミ屋敷片付けでした。入居して8年。ゴミは、平均ひざ上までありましたが、部屋の中では、ほとんど食事をしていない生活でゴミといっても雑誌や衣類などが多く、ゴミの質は、良い方です。案の定ゴミを撤去して部屋の傷みは、ありません。壁や床の汚れはありましたが、お客の要望でお掃除は、入念にしました。掃除した後は、ゴミ屋敷にした部屋だった様子はわかりません。しかし、今回は、こちらとお客との想像を超えてた原状回復費の請求がなされたのです。
それは、いくつかの背景がありました。1階が大家さんの事務所があり、以前からその部屋がゴミ屋敷なっていたことを知っていた。作業中に何回かのぞき見され部屋の状態を気にしていたことがわかりました。請求の内容は、クロスの張替えはもちろんですが、一部、クロスの下地材の取り換え費用など含んでいました。請求書を見させていただき、ちょっとやりすぎのようにも思えましたので、消費者センターで話を進めるようにアドバイスをさせていただきました。
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